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2012年3月21日(水) 第13回 サポート講習会

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渡邊惟大さん講演の様子1

渡邊惟大さん講演の様子1

渡邊惟大さん講演の様子2

渡邊惟大さん講演の様子2

講師

渡邊惟大さん

プロフィール

1987年3月生まれで、筋ジストロフィー・ジュシェンヌ型。
10歳から歩行困難になり、14歳から電動車椅子を使用している。
両親と千葉で3人で暮らしており、母も車椅子使用者。
幼稚園から高校まで普通校で過ごし、2005年に早稲田大学入学、2011年早稲田大学大学院・政治学研究科修士課程修了。
現在は障がい児と保護者の為の進学ガイダンスを実施したり、NPO法人の設立検討(障がい児の高等教育サポート)を行っている。

日時

2012年3月21日(水)

内容

ハワイ視察の経緯と準備

ユニバーサル・アクセス促進事業として、公共未来塾起業プランコンペで支援対象となり、メンターからの海外視察を提案され計画。
当初はロンドンへの視察を考えていたが、様々な理由によりハワイに変更。
家族で海外旅行に行ったことはあるが、今回は友人との渡航で、介助者も自分で探さなければならなかった。
介助者を探した際見つかったのが、1件目は料金が高く、2件目は日本人男性でハワイでのライセンスも持っているが、50代の方だった。

車椅子のバッテリー問題

JTBよりデルタ航空が搭載前のバッテリーの取り外しを求めていると告げられた。しかし、過去に中華航空、カンタス航空、ルフトハンザ航空では言われず。
バッテリー重量80kgでは取り外し時に破損する恐れや預けてしまうと姿勢が安定できなくなってしまう事等から取り外すことはできない。
デルタや米運輸省の規定も確認。最終的にデルタの確認不足判明。

現地での移動

空港からバスで移動する際、JTBのバスでは乗れないので、JTBが手配する車で移動(有料:往復1万5600円) 後部座席の真ん中に車椅子固定具があり、介助されやすいしくみになっている。
公共バスである「The Bus」はほぼ全てのバスがバリアフリー対応になっており、運転士が車椅子の固定まで行う。老若男女、多人種多民族、障がいのある人等、多くの方が乗り込んでくる。
落し物をした乗客のために停車し、皆で探したり、現地の子とみられる小学生の女の子2人が抵抗なくつり革代わりに車椅子につかまってくる等、日本では見られない光景があった。
だが、日本のバスのような時刻表はなく、道路もきれいに舗装されていないので揺れが激しい。

学校視察

≪ホノルル・コミュニティ・カレッジ≫

【Student Accessスタッフの方にインタビュー】
Q:障害学生支援の方針
A:ハワイ州の高等教育システムの一環で行う。人数が少ない学校はオフィスも小規模になるが、要望がきたら答えるようにトライする。
Q:統合教育について
A:ハワイでは小さい頃から人種、民族、文化、障害で人を分ける教育を受けていない。子供向けTV番組にも障害者は自然に出演している。
・車いすでも使える学生用野外テーブル(ベンチテーブルの真ん中に車椅子の入れる空間があるもの)が設置されている。

≪ハワイ大学マノア校視察≫

ハワイ州立大学群の旗艦校で、海洋学、天文学、地質学、農学アジア・太平洋の地域の研究などが盛んで、アジア・太平洋からの留学生も多く在籍している。
KOKUA Program(障害学生支援プログラム)をおこなっている。
KOKUAとは、ハワイ語で助け合いの意味があり、このKOKUA Programでは主に障害学生の勉強面のサポートを行う。

【KOKUA Program】

  • 試験の際の配慮(試験時間延長、代筆、代読、代替メディア、解答用紙の配慮等)
  • ノートテイク
  • 代筆
  • 手話通訳
  • 同時字幕表示機の使用
  • 本屋での補助サービス …等

 

【KOKUA Programスタッフにインタビュー】
Q:障害学生支援の方針
A:授業に関する支援に限る。通学や生活介助者は障害学生自身で探す。
Q:州政府からのサポート
A:予算は州が決めるが、障害学生支援に関する特別な予算はでてない。

ハワイ視察で見えてきたこと

ハワイでは。わざわざバリアフリー化をしているのではなく、「スローウォーカー」や「車椅子使用者」がいるという前提で物事が考えられている。また、障害者を特別に「分ける」という発想がない。

バリアフリーや制度が本当に「先進的」なのか?むしろ、上記のような「価値観」が障害者の社会参加に寄与しているのではないか。 日本で必要なのは価値観の変革かもしれない。